名古屋市科学館の新館を建設するにあたり、プラネタリウムや大型展示などのほかに、建物にも「こだわり」がみえます。
名古屋市科学館では、建物の省エネ対策を「建物の環境配慮設備」として展示品にしています。この展示品は理工館のエントランスホールに設置されています。
太陽光発電装置(出力7.5kW)
名古屋市科学館の「理工館」では、ガラスに挟み込まれた太陽光発電パネルをガラス張りの階段室の垂直面に設置しています。ふつうは屋根や屋上に設置することが多い太陽光発電装置ですが、ガラス面に設置することで公園側からも太陽光発電装置のパネルが見られます。また、階段室の中からはパネルの裏側の配線なども見ることができます。 太陽光発電装置の出力は7.5kWで、発電した電気は館内で活用されています。
風力発電装置(出力6kW)
名古屋市科学館の「天文館」では、建物の5階と6階の北東壁面に直線翼垂直軸型の風車が2機設置されています。 2機の合計出力は6kWで、発電した電気は館内で活用されています。
屋上と壁面緑化
名古屋市科学館の「理工館」「天文館」では、外壁の表面温度を抑えることで空調の負荷を軽減したりヒートアイランド現象の軽減をはかろうと、 建物の南面に約1,500㎡の壁面緑化ユニットを設置しています。 耐侯性の高い常緑のツル植物のヘデラを主に採用しているとのことで、年間を通じて目に見える形で「環境配慮」をしていることがわかるようになっています。ふだんは見えませんが、屋上の「星のひろば」には芝生による屋上緑化もされています。
クールヒートトンネル(屋外展示スペースの地下)
名古屋市科学館では、空調負荷の軽減をはかろうと、いったん地下に取り込んだ外部の空気を地熱を利用して、夏は温度を下げ、 冬は温度を上げてから空調機械に送り込むといったクールヒートトンネルが採用されています。このクールヒートトンネルは、新館建設時に取りこわした旧理工館・天文館の地下部分を活用していて、空調代の節約だけでなく工事費や工期の短縮にも貢献したようです。
雨水貯留槽(屋外展示スペースの地下)
名古屋市科学館では、トイレや壁面緑化の散水に使用する水を節約するために、屋根に降った雨水をためる雨水貯留槽が地下に設置されています。 クールヒートトンネルとおなじように、雨水貯留槽も取りこわした旧理工館・天文館の地下部分を活用したそうです。