名古屋市営地下鉄は、東山線、名城線、名港線、鶴舞線、桜通線、上飯田線の6つの路線があります。
各路線を走っている地下鉄車両の種類を知っていますか。通勤、通学などで利用する地下鉄の路線の車両は知っていると思いますが、他の路線の車両はなじみが薄いかもしれませんね。
名古屋市営地下鉄の車両は、「東山線、名城線、名港線」と「鶴舞線、桜通線、上飯田線」のグループで、大きな違いがあります。それは、「線路の幅」、「車両電源の取り方」、「車両の大きさ」です。
「東山線、名城線、名港線」の線路の幅は標準軌と呼ばれる1,435mmです。車両電源の取り方はサードレール方式といって、2本のレールの横に車両に電源を送るもう1本のレールのようなものが設置されていて、台車の横に取り付けられた集電靴とよばれる集電装置から、直流600Vの電気をもらいます。また、車両の大きさも、JRや名鉄の車両より少し小ぶりで、長さも16m弱です。車両が小型なので、都市部の急なカーブも曲がることができます。
架空線(パンタグラフ)方式と比較すると、トンネル内に架線が無く、車両もパンタグラフを必要としないため、トンネルの断面を小さくすることができ、トンネルの建設費を安くすることができます。
「鶴舞線、桜通線、上飯田線」は名鉄と相互乗り入れしている関係で、線路の幅は狭軌と呼ばれる1,067mmです。車両電源の取り方も名鉄と同じ架空線(パンタグラフ)方式で、直流1,500Vの電気をもらいます。車両の大きさも、JRや名鉄の車両と同じで、長さは20mです。
名古屋市営地下鉄は、6つの路線で、新旧いろいろな車両が走っているので、各路線ごとに車種を紹介します。
名古屋市営地下鉄の「車両」の種類
名古屋市営地下鉄の「東山線」
名古屋市営地下鉄の「東山線」は、5050形、N1000形の2車種が走っています。車両は、100号車~600号車までの6両編成です。「東山線」は、朝のラッシュ時に2分間隔のダイヤで運行しているので、6つの路線の中で最も多い、6両組成の車両を、48編成持っています。
名古屋市営地下鉄の「名城線」、「名港線」
名古屋市営地下鉄の「名城線」、「名港線」は、2000形の1車種が走っています。車両は、100号車~600号車までの6両編成です。「名城線」、「名港線」は、6両組成の車両を、36編成持っています。
名古屋市営地下鉄の「鶴舞線」
名古屋市営地下鉄の「鶴舞線」は、3000形、3050形、N3000形の3車種が走っていています。車両は、100号車~400号車、700号車、800号車の6両編成です。3000形車両は、鶴舞線開業時の昭和52年に導入された車両ですので、毎年、1~2編成づつ、新型のN3000形車両に置き換えられています。「鶴舞線」は、6両組成の車両を、25編成持っています。
「鶴舞線」は、名古屋鉄道(株)と相互乗り入れしていますが、運転士は交代するのでしょうか。相互乗り入れで、車両は直通運転となるのですが、運転士は名古屋市営地下鉄の運行区間のみを運転することになっています。したがって、名古屋市営地下鉄の運転士は、名鉄との接続駅の「上小田井駅」と「赤池駅」で、名古屋鉄道(株)の運転士と交代します。
名古屋市営地下鉄の「桜通線」
名古屋市営地下鉄の「桜通線」は、6000形、6050形の2車種が走っています。100号車~300号車、700号車、800号車の5両編成です。「桜通線」は、5両組成の車両を、24編成持っています。
名古屋市営地下鉄の「上飯田線」
名古屋市営地下鉄の「上飯田線」は、7000形の1車種が走っています。100号車~300号車、600号車の4両編成です。「上飯田線」は、4両組成の車両を、2編成持っています。「上飯田線」は、2駅のみで、名鉄の小牧線と相互乗り入れしていますので、少ない車両数で運行が可能となっています。
名古屋市営地下鉄の「車号」の意味
名古屋市営地下鉄の各車両には、「N1108」のような「車号」が付けられています。この「車号」の意味をご存知でしたか。
先頭のアルファベットと次の数字で車両の形式を表しています。「N1108」の場合は、「N1000形」となります。現在、先頭にアルファベットのついている車両は、東山線のN1000形と鶴舞線のN3000形の2車種のみです。
次の数字は何号車なのかを表しています。「N1108」の場合は、「100号車」(1両目)となります。「400号車」は4両目となり、下3桁目の数字を見れば、何両目の車両なのかが、わかります。
最後の数字2桁が、号車(編成)を表しています。「N1108」の場合は、「8号車」(編成)となります。下2桁目の数字が大きい方が、後から導入された車両ということで、新しい車両になります。
名古屋市営地下鉄の1両の値段がいくらくらいか、ご存知でしたか。実は、一両が1億円前後もするんです。6両編成の車両では、1編成で6億円以上ということになります。地下鉄の車両はしっかり整備を続ければ、20~40年使用できるので、なんとなく納得する値段なのかもしれません。