「名古屋市営地下鉄」名城線・名港線の指令塔で、ナゴヤドーム前矢田駅からの臨時列車を統括している「巨大地下車庫」を知っていますか

大幸車庫の検車線

「名古屋市営地下鉄」名城線・名港線の指令塔で、ナゴヤドーム前矢田駅からの臨時列車を統括している「巨大地下車庫」を知っていますか。この地下車庫は、名古屋市営地下鉄の名城線・名港線の車両を検査したり、修理したり、留置(停めておく)したりする場所で、「大幸車庫」と呼ばれています。

「大幸車庫」は、名古屋ドーム横の東文化小劇場、東スポーツセンターなどが入居している名古屋市の複合施設、「カルポート東」の地下にあります。地下といっても、「カルポート東」とつながっているわけではなく、全く別の巨大な2階建ての車庫が、地下深く埋まっているというイメージです。

名古屋市営地下鉄の名城線・名港線の車両は、「ナゴヤドーム前矢田駅」近くの引き込み線から、「大幸車庫」に入ります。

名古屋市営地下鉄の「大幸車庫」

「大幸車庫」は、地下2階建て、長さが570m、幅は40mで、地下式の車庫としては、日本国内でも有数の大きさです。「大幸車庫」への引き込み線は、「ナゴヤドーム前矢田駅」の左回りホームの「砂田橋駅」側から分岐し、車庫の地下2階と」接続しています。「大幸車庫の」地下1階へは車庫内の引き込み線でつながっています。

名城線を走行する車両の「行先表示」を見ると、「名城線右回り」、「名城線左回り」以外に「ナゴヤドーム前矢田」という表示がありますが、この車両が「大幸車庫」に戻る車両になります。

「大幸車庫」への引き込み線は単線なので、車両が同時に「大幸車庫」へ出入りすることができません。「大幸車庫」内の車両の管理は、「操車」という部門が担当していますが、「大幸車庫」からの車両の出し入れには苦労しているようです。

車両運用の基地

「大幸車庫」は、車両基地として、「操車」という部門が、車庫内で車両の運行を仕切り、車両運用に合わせた車両の留置と自動洗車機による車両清掃などを行っています。

ナゴヤドームで野球やコンサートなどがある場合や「名古屋みなと祭」など、多くの人出が予想される場合の臨時列車は、大幸車庫から出庫していきます。

ナゴヤドームで開催されるのプロ野球などは、試合の流れによって試合終了時間が大きく異なります。実は、名古屋市交通局の職員がナゴヤドームに詰めて、試合経過を「大幸車庫」に報告していまう。試合終了時間に近づくと、「大幸車庫」内の車両に運転士と車掌が乗り込み、スタンバイします。試合終了と同時に、臨時列車が「ナゴヤドーム前矢田駅」に向けて、「大幸車庫」から続々と出発していきます。

車両の安全運行のための基地

「大幸車庫」は、車両基地としての役割以外に、車両の安全運行のための「検車」(列車検査と修理)、「保線」(線路やトンネルの管理)、「通信」(ATCと列車無線)の基地としての役割も担っています。

「検車」担当では、地下鉄車両の列車検査(人の五感による検査と車両主要機器の機能検査)と故障対応をしています。早朝の列車運行開始から深夜の終車までの間、いつでも車両故障に対応できるように準備をしています。

「保線」担当では、地下鉄の線路とトンネルの点検・補修をしています。補修作業は、地下鉄の終車後の夜間作業となるため、0時過ぎに補修作業車に機材を積み込み「大幸車庫」を出て、作業場所まで行き、作業完了後は始発列車の運行前までに「大幸車庫」に戻ります。夜間は、ポイントの切り替えを手動で行うなど、現場に到着するまでに時間がかかるので、現場の作業時間が2~3時間となる場合もあります。

「通信」担当では、地下鉄のATC(自動列車制御装置)と列車無線などの点検・補修をしています。補修作業は、地下鉄の終車後の夜間作業となるため、0時過ぎに補修作業車に機材を積み込み「大幸車庫」を出て、作業場所まで行き、作業完了後は始発列車の運行前までに「大幸車庫」に戻ります。夜間は、ポイントの切り替えを手動で行うなど、現場に到着するまでに時間がかかるので、現場の作業時間が2~3時間となる場合もあります。

このように、「大幸車庫」は、昼間は車両基地として、夜は保守基地としての役割を果たし、24時間眠らない車庫として、名城線・名港線の安全・安心、快適な車両の提供に寄与しています。