Windows7のサポート終了!Windows7以降のパソコンなら少し手を加えるだけで、Windows10が快適に動作(5)では、Windows10の「アップグレードインストール」と「クリーンインストール」について、2020年の現在でも、無償で行うことができるか検証しましたが、結果は大丈夫でした。
お手持ちのパソコンで、最新のOSであるWindows10が動作することがわかりましたが、「まだWindows10に慣れていないので、しばらくWindows7も使いたい。」と思っている方も見えるかもしれません。
実は、Windowsには「デュアルブート」という機能があり、1台のパソコンで2つのOSを切り替えて使用することができます。この機能を利用すれば、1台のパソコンでWindows10とWindows7を「オペレーティングシステムの選択」画面で切り替えて利用できるようになります。
Windows7とWindows10の「デュアルブート」事例
Windows7とWindows10を1台のパソコンで切り替えて使用できる、「デュアルブート」の事例を紹介します。「デュアルブート」事例に使用したパソコンは、NECのビジネス用のノートパソコンで、VersaPro VL/Cという機種です。
今回検証したNECのVersaPro VL/Cというパソコンのスペック(性能)は、CPU:Core i3 2310M、MEM:2GB×2、HDD:250GBでという構成です。CPUがCore i3、メモリが4GB搭載されていますので、Windows10を動作させるには問題の無い機種で、HDDをSSDに変更すればWindows10も快適に利用できます。
Windows7とWindows10の「デュアルブート」を設定するには、まずWindows7がインストールされているパソコンを用意します。Windows7がインストールされているパソコン上で、Windows10をインストールする区画(パーティション)を作成します。そしてWindows10の「インストールメディア」を使用してWindows10をインストールし、インストール途中の、「インストールの種類の選択画面」では新規にWindows10をインストールする「カスタム」を選択します。そしてWindows7で作成した「Windows10用インストール区画(パーティション)」にWindows10を新規にインストールします。
Windows10の「インストールメディア」の作成
Windows10の「デュアルブートインストール」では、まず、MicrosoftのWindows10ダウンロードサイトから、「ツールを今すぐダウンロード」で「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択して、「Windows10のインストールメディア」を作成します。今回は、高速でWindows10がインストールできるように、「USBフラッシュドライブ」でインストールメディアを作成しました。
Microsoftのサイトでは、Windows10の32bit版と64bit版の「両方」を含むインストールメディアを作成することができますが、この場合は「USBメモリ」の容量が8GB以上必要です。Windows10のインストールメディアを作成するのに要する時間は、パソコンの性能とインターネットの速度にもよりますが、30分程度かかります。
Windows7とWindows10の「デュアルブートインストール」
Windows7とWindows10の「デュアルブートインストール」は、Windows10の「インストールメディア」を使用して、インストール途中の「インストールの種類の選択画面」で、新規にWindows10をインストールする「カスタム」を選択します。「デュアルブートインストール」では、32bit版のWindows7からのアップグレードでも、32bit版、64bit版のどちらのWindows10もインストール可能です。
インストールの手順は、
1.「USBメモリ」から起動できるように、パソコンのBIOS設定を変更して、Windows10の「インストールメディア」を挿入します。
2.「USBメモリ」からインストールプログラムが読み込まれ、「Windows Boot Manager」が表示されますので、Windows10の32bit版と64bit版のどちらをインストールするのかを選択します。
3.「Windows10のライセンス認証」画面では、Windows10の再インストールとなりますので、「プロダクトキーがありません」を選択します。(Windows10のインストール完了後、インターネットに接続されると、自動的に「ライセンス認証」が実施されます。)
4.Windows10のHome版かPro版のどちらをインストールするのかを選択する画面が表示されるので、Windows7HomePremiumの場合はWindows10Homeを選択、Windows7Professionalの場合はWindows10Proを選択します。
5.インストールの種類の選択画面では、既存のシステム環境を引き継いでWindows10をインストールする「アップグレード」か、新規にWindows10をインストールする「カスタム」かの選択画面が表示されるので、新規にWindows10をインストールする「カスタム」を選択します。
6.Windows7のシステムを残したまま、Windows10をインストールするので、HDDにWindows10をインストールする区画(パーティション)を作成し、その区画(パーティション)にWindows10をインストールします。
では、実際にWindows7とWindows10の「デュアルブートインストール」の手順を見ていきましょう。
2.「Windows Boot Manager」の画面です。アップグレード前のWindows7Professionalは32bit版でしたが、今回はWindows10の64bit版をインストールしてみます。
Windows10のインストール画面が表示されました。
3.「Windows10のライセンス認証」画面です。Windows10の再インストールとなりますので、「プロダクトキーがありません」を選択します。
4.「Windows10のHome版かPro版のどちらをインストールするのかの選択」画面では、Windows7ProfessionalからアップグレードしているのでWindows10Proを選択しています。
5.「インストールの種類の選択」画面では、新規にWindows10をインストールする「カスタム」を選択します。
6.「Windows10をインストール場所の選択」画面では、すでにWindows7上で、Windows10をインストールする区画(パーティション)を作成していますので、その区画(パーティション)を選択します。
Windows10の「デュアルブートインストール」に要する時間は、パソコンの性能によって変わりますが、30分から60分程度になります。
Windows10がインストールできたら、Windows10の【設定】【更新とセキュリティ】【ライセンス認証】とメニューをたどると、「ライセンス認証」欄は「Windowsはデジタルライセンスによってライセンス認証されています」と表示されています。Windows10の再インストールなので、インターネットに接続されると自動的に「ライセンス認証」が行われたことがわかります。
Windows10の環境設定が完了したら「シャットダウン」して、再度電源ボタンを押すとWindows10の「オペレーティングシステムの選択」画面が表示されて、Windows10とWindows7を切り替えて使用できるようになります。この画面では、「Windows10」の起動が選択されていて、そのまま放置すると30秒後に、「Windows10」が起動します。「Windows7」を選択すると、パソコンが再起動されて「Windows7」が起動します。
Windows7とWindows10の「デュアルブート」では、Windows10のインストーラーが作成してくれた、「ブートメニュー(オペレーティングシステムの選択画面)」から起動するOSを選択します。Windows7とWindows10のそれぞれのOSで再起動をかけた場合、Windows10のインストーラーが作成してくれた、「ブートメニュー(オペレーティングシステムの選択画面)」がうまく表示されない場合があります。Windows7とWindows10のOSの切替や、OSから再起動を促された場合でも、再起動ではなく、「シャットダウンをして、再度電源を投入する。」運用をするとうまくいきますのでお試しください。
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