「名古屋市営地下鉄」の3つの車両整備工場と「秘密の連絡線」の関係とは

名古屋市営地下鉄路線図

名古屋市営地下鉄は、東山線、名城線、名港線、鶴舞線、桜通線、上飯田線の6つの路線があります。6つの路線を走行する地下鉄車両は、法令に基ずく検査を実施しています。

法令に基ずく検査の種類は、全般検査、重要部検査、月検査、列車検査の4種類があります。全般検査、重要部検査、月検査は地下鉄車両の整備工場で実施されています。列車検査は、検査機器などを使わずに「人の五感」によるものなので、地下鉄車両の車庫等で実施されています。

名古屋市交通局が保有する地下鉄車両の整備工場は、藤が丘工場、名港工場、日進工場の3つがあります。また、地下鉄の車庫も、高畑車庫、大幸車庫、徳重車庫の3つがあります。

「名古屋市営地下鉄」の藤が丘工場

東山線を走行する地下鉄車両は、全般検査、重要部検査、月検査、列車検査のいずれも、藤が丘駅の近くにある藤が丘工場で実施されています。東山線は、高畑駅の近くに高畑車庫があるのですが、列車検査は藤が丘工場で実施されています。

「名古屋市営地下鉄」の名港工場

名城線と名港線は金山駅で線路が接続されているので、名城線の車両は名港線に乗り入れることができます。なので、いずれの路線の地下鉄車両も、全般検査、重要部検査、月検査は、築地駅の近くの名港工場で実施されています。また、列車検査はナゴヤドーム前矢田駅の近くの地下にある大幸車庫で実施されています。

「名古屋市営地下鉄」の日進工場

鶴舞線車両は、全般検査、重要部検査、月検査、列車検査のいずれも、赤池駅の近くにある日進工場で実施されています。また、日進工場に併設されて、名古屋市の「市電」や「黄電」と呼ばれていた東山線車両などが展示されている「レトロでんしゃ館」があります。

「レトロでんしゃ館」では、名古屋市を走っていた市電の代表的な車両(1400型、2000型、3000型)3両と、昭和32年の地下鉄開業当時に名古屋・栄町間を走った100形車両の2両とその台車が展示されています。展示車両は実際に車内に入って見学することができますし、入場料も無料なので、「市電」や「黄電」に興味がある方は、ぜひ覗いてみてください。

上飯田線の車両検査

2駅のみの一番短い路線である上飯田線の地下鉄車両は、全般検査、重要部検査、月検査、列車検査、いずれも名鉄に委託しています。

桜通線の車両検査

桜通線車両の列車検査は、徳重駅の近くの地下にある徳重車庫で実施されています。

さて、桜通線の沿線に車両工場が見当たりませんが、桜通線車両の全般検査、重要部検査、月検査はどこで行われているのでしょうか。法令に基ずく検査なので実施しないわけにはいきません。実は、桜通線の車両の全般検査、重要部検査、月検査は鶴舞線沿線の日進工場で行われているのです。

「えー、線路がつながっていませんよ。」という声が聞こえてきそうですが、桜通線の丸の内駅と鶴舞線の伏見駅をつなぐ秘密の「丸の内連絡線」という線路があるのです。この線路を使って桜通線の車両は鶴舞線に乗り入れ、赤駅駅の近くの日進工場に向かうのです。

見たことがある方もみえると思いますが、伏見駅で電車を待っていると、数日毎に赤い帯をつけた桜通線の回送列車が伏見駅を通過します。なんだか不思議な感じがしますが、本当です。