名古屋市科学館の理工館6階は「最先端科学とのであい」というテーマの展示室になっていて、「地下へ挑む」「宇宙へ挑む」「地球を知る」「話題の科学」という4つの展示ゾーンがあります。
「地下へ挑む」ゾーンは、地球の北半球を4分の1に切り取ったような展示スペースとしてつくられています。地下に入って、さらに奥の展示スペースに、「宝石」や「隕石」などの展示品があります。
「隕石」の展示品は、小さなものがケースに入って展示されているものが多いのですが、「地下へ挑む」ゾーンでは、小さな隕石から、ナミビアで発見された大きな「ギベオン隕石」まで展示されています。「ギベオン隕石」は大きなものなので、実物を触ることができるんです。
理工館6階「地下へ挑む」ゾーンの展示品
「地下へ挑む」ゾーンは、地球の構造や地球を構成する物質を解き明かす展示品で構成されています。
「地下へ挑む」ゾーンで最も人気のある展示品は、「ボーリングコアステーション」で、地下から取り出したボーリングコアを触りながら、ボーリングコアの分析が体験できる展示品です。
「地下へ挑む」ゾーンの奥の部屋は、「地圏(地球の地下深く)」についての展示品があり、宇宙から飛来した貴重な「隕石」が触れるコーナーもあるんです。
「地下へ挑む」ゾーンの「地圏−地球の材料」コーナー
理工館6階「地下へ挑む」ゾーンの―番奥には、「地圏(地球の地下深く)」に関する展示をしている部屋があります。この部屋には、「地圏ー層構造」「地圏ー地殻」「地圏ーマントルと核」「地圏ー地球の材料」のコーナーがあります。触れる「ギベオン隕石」は、「地圏ー地球の材料」のコーナーに展示されています。
地球内部はどのような物質で、どのような「材料」からできているのかわかっていませんが、そのヒントを与えてくれるのが宇宙から降ってくる隕石(いんせき)です。
「地圏ー地球の材料」のコーナーには、「コンドライト」「鉄隕石(隕鉄)」「石鉄隕石」の3種類が展示されています。
「コンドライト」
「コンドライト」は、太陽系ができたころの状態を記録した「地球の材料」と考えられています。展示されているものは、1969年にメキシコに落下した、炭素質コンドライト「アエンデ隕石」です。
「鉄隕石(隕鉄)」
「鉄隕石(隕鉄)」は、鉄隕石は鉄とニッケルの合金です。十分な重力を持つ大きな天体で、重たいものが下、軽いものが上に分かれた後、その天体が砕けて、核にあたる合金が飛んできたものと考えられています。
展示されている隕石は1836年にナミビアで発見された「ギベオン隕石」です。回収された隕石の総重量は10トンを越えると言われます。
「石鉄隕石」
「石鉄隕石」は、鉄隕石と珪酸塩鉱物が混ざったような隕石です。重たいものが下に、軽いものが上に分かれ石鉄隕石は、隕鉄が作られた原始小惑星の核とマントルの境目か、完全に分離できるほどの引力がなかった小惑星の中心部でないかと考えられています。
展示されているものは、1822年にチリのアタカマ砂漠で発見された「イミラック隕石」です。
ほとんどの隕石は、小惑星帯から飛んできたと考えられています。小惑星帯には、太陽系ができたころの状態を残したまま惑星になりきれなかった小惑星が漂っています。小惑星イトカワをつくっているのもコンドライトだと考えれています。これら小惑星どうしが、衝突したりニアミスしたりして軌道が変わると、砕けて地球に落ちてくることがあるのです。コンドライト(分化していない隕石)は太陽系の原始物質であり、それ以外の隕石はコンドライトが一度融けて重たいものと軽いものに分化したものと考えられます。地球の物質は分化して層構造をつくっていますので、分化した隕石と同じようにしてできたのでしょう。隕石は、地球内部がどのような物質なのかを知る手がかりなのです。
(名古屋市科学館公式ホームページの展示品解説より)
「新幹線のレール」が、理工館5階「物質・エネルギーのせかい」の「材料大集合」ゾーンにあります。
「恐竜のうんこ化石」が、生命館2階「地球のすがた」の「過去の地球を探る」ゾーンにあります。