「水に浮かんでいたボール」が「空気の泡」で沈む?名古屋市科学館の「ぶくぶくタンク」で浮力の不思議を体験しよう!

名古屋市科学館は、ギネス世界記録に認定された世界最大の直径35mのドームに設置されたプラネタリウムを始め放電ラボや極寒ラボなどの大型展示が目を引きますが、その他の展示物も200点以上もあります。

名古屋市科学館の理工館2階は、「不思議のひろば」という展示テーマで展示品が配置されています。この展示室では、「みる・きく・さわる・うごかす」といった体験を通して、科学の不思議さや楽しさを知ることができます。

地表の水は蒸発して水蒸気となり、上昇し上空で雲をつくります。雲はやがて雨となって地上にもどり、海に注ぎます。「水のひろば」では、この大きな水の循環と水の性質について、さまざまな実験を通して知識を深めることがでます。

理工館2階の「うみのステージ」ゾーンでは、泡の性質を利用して、浮力に関する実験ができます。「ぶくぶくタンク」という展示品は、レバーを上下して圧縮空気を作り、それを円筒形の水槽に一気に放出すると、「浮かんでいるボール」の周りは「大量の空気の泡」で満たされ、なんと「浮かんでいるボール」が沈んでいきます。そして、「大量の空気の泡」が水面に達して、水中にある空気の泡が消えると、沈んだボールはまた浮き上がります。

理工館2階の「うみのステージ」ゾーンにある「ぶくぶくタンク」という展示品

理工館2階の「うみのステージ」ゾーンにある「ぶくぶくタンク」という展示品では、「ボールを浮かせる浮力という力が、ボールが押しのけた水の重さと同じである。」ことを体感できます。

円筒形の水槽にボールが浮かんでいます。レバーを操作して、円筒形の水槽の中に大量の泡を発生させると、浮かんでいたボールが次第に沈みはじめますが、なぜでしょうか。

ボールが水に浮かぶのは、ボールに対して浮力という上向きの力がはたらくからですが、浮力の大きさはボールが押しのけた水の重さと同じ大きさです。ボールの重量とこの浮力がつりあうことで、ボールは水に浮かんでいるのです。

ボールの周りが泡で満たされると、ボールが押しのけた水の量が減って浮力が小さくなるので、浮いていたボールはしだいに、沈み始めます。そして、泡が水面に達して、水中から泡が無くなると、沈んでいたボールは再び浮き上がってくるのです。

<ぶくぶくタンク>
円筒形の水槽に模型の船が浮かんでいます。レバーを操作して、大量のあわを発生させます。すると、浮かんでいた船が次第に沈みはじめます。なぜこのようなことになるのでしょうか。
重い船が海水に浮かぶのは、船に対して浮力という上向きの力がはたらくからです。浮力の大きさは、船が排除した海水の重さと同じ大きさです。船の重量とこの浮力がつりあうことで、船は海に浮かんでいるのです。
ここで、海水に大量にあわ、すなわち空気がたくさん含まれているとすると、船の重さにつりあう浮力を得るためには、船が排除する海水のみかけの量を多くしなければなりません。すなわち、船を深く沈めないとその量をかせぐことができなくなるのです。
アメリカのフロリダ半島の近くのバミューダ海域でよく船が沈むといわれてきました。その理由のひとつに、この現象を指摘する学者がいます。この地域の海底にはメタンハイドレートが大量にあり、そこからメタンが泡となって海上に上がってくるため、船が沈みやすくなるという説です。メタンハイドレートとは、常温常圧で気体のメタンが、深い海底でシャーベット状になったもののことです。
(名古屋市科学館公式ホームページの展示品解説より)