空に浮かぶ「雲」と雲から落ちてくる「雨」では粒の大きさはどのくらい違うのか、名古屋市科学館の展示品で「雲の粒と雨の粒」の大きさを体感してみよう!

水は地球上で循環しています。地表の水は蒸発して水蒸気となり、上昇し上空で雲をつくり、雲はやがて雨(水)となって地上にもどってきます。名古屋市科学館にある「水のひろば」という大型展示では、この大きな水の循環と水の性質について、さまざまな実験を通して知識を深めることができる展示品があります。

「水のひろば」という大型展示品は、名古屋市科学館の理工館2階と3階を利用して設置されているのですが、理工館3階にはこの展示品の「くものステージ」ゾーンがあります。
「くものステージ」ゾーンの「くもとあめ」というコーナーには3つの展示品があり、「くものつぶとあめのつぶ」という展示品では「くものつぶ」と「あめのつぶ」の大きさを体感することができます。

理工館3階の「くものステージ」ゾーンにある「くものつぶとあめのつぶ」という展示品

雲はたくさんの「水のつぶ」が集まってできていますが、雨も「水のつぶ」です。
雲のつぶの大きさは、およそ0.003~0.01mmくらいですが、雨のつぶは、小さいもので0.1mm、大きなものでは4~5mmで、その大きさは数十~数百倍にもなります。

「雨のつぶ」は「雲のつぶ」に比べて、数十~数百倍も大きといわれても「ピン」ときませんが、「くものつぶとあめのつぶ」という展示品を見ると、その大きさが体感できます。「雲のつぶ」は展示品の解説に描かれている「小さな丸」ですが、これと比較する「雨のつぶ」はどこにあるのでしょうか。

「水のひろば」という大型展示品は、毎時57分から「水の循環」という3分間の実演がありますが、天井から吊るされた「大きな円形のスクリーン」にも「水の循環」を示す映像が映し出されます。
実は、「雲のつぶ」と比較する「雨のつぶ」は、この「大きな円形のスクリーン」だったのです。映像を映すスクリーンにしては奇妙な形をしていますが、「雨のつぶ」を表しているのなら納得しますね。
「雲のつぶ」に比べて「雨のつぶ」は、ずいぶん大きいことが体感できますね。

【くものつぶとあめのつぶ】
雲は、大気中にかたまって浮かぶ水滴や小さな氷の粒のことです。そして、それらが大きく成長して雨粒になるのですが、それらがどのくらいの大きさなのかを示すのがこの展示です。
雲を作る雲粒は、空気中に浮かぶちりやほこりなど(エアロゾルといいます)の微粒子を核としてつくられます。そのため、エアロゾルが多いと水蒸気が凝固しやすくなり、雲が発生しやすくなります。このときにできた雲粒は0.001~0.01mmくらいとごく小さなものです。これが、雲粒同士の衝突や、雲粒に水蒸気がさらにくっついて凝固していくなどして、雲粒は次第に成長し、最大で0.2mmの大きさになります。さらに成長し、雨粒になると、その直径は1mm前後になるのです。最初の雲粒から雨粒を比較すると、100~1000倍になっていることがわかります。
(名古屋市科学館公式ホームページの展示品解説より)