名古屋市科学館の理工館6階で「私たちが生活している空間」が「卵の殻」程度の厚さであることが実感できます!

名古屋市科学館は、ギネス世界記録に認定された世界最大の直径35mのドームに設置されたプラネタリウムを始め放電ラボや極寒ラボなどの大型展示が目を引きますが、その他の展示物も200点以上もあります。

名古屋市科学館の理工館6階は、「最先端科学とのであい」という展示テーマで展示品が配置されていて、宇宙開発・地下環境・地球温暖化などに関する最新の科学が紹介されています。この展示室で「地球を知る」ゾーンの「新たな世界への挑戦」というコーナーには、「50万分の1の地球」の北半球の「4分の1」をイメージした展示室があります。

展示室の入口には、「50万分の1」の地球断面を見ることができ、「私たちが生活している空間」が「卵の殻」程度であることが実感できます。

理工館6階「最先端科学とのであい」の「地球環境を知る」ゾーンにある「新たなる世界への挑戦」のコーナー

地球環境を知るための研究が続けられていますが、地球環境を理解するためには「宇宙」と「地下」という環境について理解することが必要です。この展示では、科学者や技術者らが困難な研究を積み重ね、地球環境とそこで起こっている自然現象の解明に向けた、取り組みと成果が紹介されています。

展示室の入口には、「50万分の1」の地球断面を見ることができ、「私たちが生活している空間」が「卵の殻」程度であることが実感できます。それに対し、「私たちが生活している空間」の上下に広がる「宇宙」と「地下」という環境はなんと広大なのでしょうか。地球表層の環境は、広大な「宇宙」と「地下」境界部に過ぎないのだと感じさせられます。

【地球環境を理解するために】
普通「地球環境」といえば、私たちが住んでいる大気や海がある”地球表層環境”のことを指します。50万分の1の地球断面を見ていただくと、地球表層の環境がいかにせまいか実感できます。それに対し、その上下にある「宇宙」と「地下」という環境はなんと広大なのでしょう。地球表層環境が、巨大なふたつの環境(=宇宙と地下)の境界部に過ぎないと感じさせられます。そこは、宇宙と地下環境の物質やエネルギーのやりとりが行われる場と言えます。
ですから、宇宙と地下の環境について理解が進めば、いわゆる地球環境問題の解決に役立てることができると考えられます。それだけでなく、それぞれの特異な環境を活用することで、人間社会に役立つ新技術の創出につながる可能性もあります。地球表層に生きる私たちが未来にわたって豊かな暮らしを育んでいくため、あらゆる技術を駆使して宇宙と地下環境の理解を目指す、それこそが科学のフロンティアと言えるのではないでしょうか。現在、多くの科学者・技術者が結束して挑んでいるフロンティアは、地球環境とそこで起こっている自然現象の解明とその利用なのです。 「地球環境」といえば、私たちが住んでいる大気や海がある「地球表層環境」のことを指しますが、50万分の1の地球断面を見ると、「地球表層環境」がいかに狭いかが実感できます。それに対し、その上下にある「宇宙」と「地下」という環境はなんと広大なのでしょう。地球表層環境が、巨大なふたつの環境(=宇宙と地下)の境界部に過ぎないと感じさせられます。そこは、宇宙と地下環境の物質やエネルギーのやりとりが行われる場と言えます。
ですから、宇宙と地下の環境について理解が進めば、いわゆる地球環境問題の解決に役立てることができると考えられます。それだけでなく、それぞれの特異な環境を活用することで、人間社会に役立つ新技術の創出につながる可能性もあります。地球表層に生きる私たちが未来にわたって豊かな暮らしを育んでいくため、あらゆる技術を駆使して宇宙と地下環境の理解を目指す、それこそが科学のフロンティアと言えるのではないでしょうか。現在、多くの科学者・技術者が結束して挑んでいるフロンティアは、地球環境とそこで起こっている自然現象の解明とその利用なのです。
【宇宙環境】
ここで言う宇宙環境は、ほとんど重力がなく、高真空で、放射線の強い環境です。生物が生きていける環境ではありません。
一方で、これら地表付近にはない環境を利用することにより、いろいろな分野の研究や実験等が行われます。無重力では軽いものと重いものを簡単に混ぜられたり、対流を起こさずに結晶を成長させたりできます。このことを利用して、新材料や医薬品の開発や、宇宙環境の生物や人への影響に関する医学系の分野など、新たな科学技術の展開が期待されています。
科学者らは、国際宇宙ステーションや地球観測衛星を用いることにより、大気のない宇宙空間からの天体観測や地球観測を行い、宇宙と地球の理解を目指しています。
【地下環境】
すぐ足下にあるのに分からないことが多いのが地下環境です。地下環境は岩石や地下水から成り、深くなるほど高圧で、酸素の少ない状態(還元状態)になっているのが特徴です。光が通りませんから直接見ることができません。トンネルを掘ってしまえば見ることができそうですが、圧力が解放され、大気が入り込み、もはや本来の地下環境とは変わってしまいます。
最近になって、廃棄物処理に伴う土壌汚染や地盤沈下への対策など、地下環境への関心が高まっています。長期間にわたる地球環境を理解するうえでは、地球内部のゆっくりとした変化も理解することが必要です。科学者らは、地下深部を掘削して地下物質の直接観察と、地震波などによる間接的な推測などにより、地下環境の理解を目指しています。
(名古屋市科学館公式ホームページの展示品解説より)