中部地方の高速道路の安全をつかさどる「NEXCO中日本の道路管制センター」を紹介

わたしたちが高速道路を安心して走行できるのは、24時間、365日、道路を管理している「道路管理センター」があるおかげです。

中部地方の高速道路を管理しているのは、「NEXCO中日本・道路管制センター」ですが、この「道路管理センター」を見学する機会がありましたので概要を紹介します。

「NEXCO中日本・道路管制センター」

中部地方の高速道路を管理している「NEXCO中日本・道路管制センター」は、「名古屋」「金沢」「東京」「八王子」の4か所にあります。今回見学したのは、「NEXCO中日本・道路管制センター」の中核となる「名古屋・道路管制センター」で、一宮インターチェンジの近くにあります。

「道路管制センター」とは

道路管制センターでは、わたしたちが高速道路を安全・安心・快適に走行できるように、「交通管制」をしています。また、「施設管制(制御)」といって、交通管制に欠かせないトンネルや各種設備の監視・制御を24時間体制で行っています。

「交通管制」と「施設管制(制御)」

事故や道路の不具合、落下物の情報は、お客様の通報や中日本高速道路株式会社の道路パトロール車などから、「道路管制センター」に連絡が入ります。

(「NEXCO中日本」の見学者用パンフレットから抜粋)

「NEXCO中日本」が管理する、高速道路には800台以上の監視カメラが設置されています。また、トンネル内や事故の発生が多い個所などは、「道路管制センター」から監視カメラで直接道路状況を把握しています。
トンネル内の火災報知器などの機器からも、火災や道路の異常情報が、直接「道路管理センター」に通報されます。

「道路管理センター」の初動対応

「道路管理センター」には、中部管区警察局の警察官が24時間、常駐していて、必要に応じて一宮高速道路管理室から高速道路交通警察隊が派遣されます。事故や災害の場合は消防署に救急車等の要請が行われます。

そして「道路管理センター」からは、交通管理隊や道路メンテナンス部隊が派遣されます。事故・災害の本格的な復旧は、管轄の保全・サービスセンターが実施します。

「道路管理センター」の情報提供

事故・災害等の情報は、高速道路上の情報板やサービスエリア・料金所などの情報板にも示されます。また、事故・災害等の情報としてハイウェイラジオでも放送されます。

「道路管理センター」の施設の監視・制御

長大トンネルには水噴霧設備などの防災設備がが設置されていて、これらの設備も「道路管理センター」から遠隔で運転されます。

(「NEXCO中日本」の見学者用パンフレットから抜粋)

「道路管理センター」は、交通管制に伴う情報の収集・提供を行うほかに、高速道路本線、SA・PA、IC・JCT、長大橋、トンネルなどにある、約200種類の施設運転状況などを「施設制御システム」で管理しています。

名古屋支社「道路管制センター」の守備範囲

名古屋支社「道路管制センター」では、新東名や新名神などの高速道路13路線、伊勢湾岸道と東海環状自動車道の一般有料道路2路線を合わせて、道路の管理延長889.6kmを管理しています。

(「NEXCO中日本」の見学者用パンフレットから抜粋)

また、道路点検・補修は豊田、名古屋など10か所の「保全・サービスセンター」が行っています。

「道路管理センター」の組織体制

「道路管理センター」は、中日本高速道路株式会社・名古屋支社の保全・サービス事業部に所属し、センター長と副センター長が置かれています。24時間体制で交通管制と施設制御を行っている「管制センター」では、統轄指令のもとに交通管制を統括する「管制指令」と施設制御を統括する「制御指令」が配置されています。

(「NEXCO中日本」の見学者用パンフレットから抜粋)

センター長、副センター長、統括指令で「交通管制チーム」をつくり、「交通管理の実施」「交通管理に係る警察・消防との調整」「交通安全対策の検討」「特殊車両の許可審査」などを行っています。

管制指令と制御指令は、「交通管理隊との通信・指令、非常電話運用による交通管制の実施」「同うろ交通情報の提供」「施設制御・運用監視」「トンネル非常用設備運用」「事故時、災害時の初動対応の実施」を行っています。

【お知らせ】
道路障害を発見したら第一報!非常電話が近くにない場合は、
道路緊急ダイヤル #9910(きんきゅうトラブル)
24時間いつでもつながります。音声ガイダンスにそって番号を選択すると、各道路管理者につながり、通話料は無料です。
プッシュ回線契約電話、プッシュ式公衆電話、携帯電話、PHSから使用できます。
道路交通法により運転中の通話は禁止されていますので、休憩施設等の安全な場所に移動・停車して電話をかけてください。

ETC模擬レーン

「NEXCO中日本」の「名古屋・道路管制センター」では、ETCを管理する職員の研修などのために、敷地内に「ETC模擬レーン」も設置されています。

非常用発電機

災害時にも、「NEXCO中日本」の「名古屋・道路管制センター」の機能が停止しないように、非常用発電機は建物の屋上に設置されています。

道路管理車両

高速道路では、日常的に道路パトロールカーや道路維持車が走行していますが、「NEXCO中日本」の「名古屋・道路管制センター」では、事故や災害に対応するための、道路除雪車、指揮車、通信車なども配置されています。

道路パトロールカー

緊急車両となっているのでサイレンを鳴らしての走行ができます。

道路維持車

道路上の落下物の回収などを行います。「走行しながら落下物を回収する車両」の研究をしているそうです。

道路除雪車

凍結防止剤の散布も可能な車両が配備されています。除雪車1台で1車線の除雪を行います。

事故や災害時の指揮車・通信車

事故や災害時に現場で指揮ができる指揮車や、衛星通信用のパラボラアンテナを搭載した通信車も配備されています。

「NEXCO中日本」の「名古屋・道路管制センター」では、高速道路を安全・安心で快適に走行できるように、24時間、365日体制で交通管制と各種設備の監視、制御をしています。