名古屋市科学館にある「震源ジオラマ」で「地殻プレートの沈み込み」が体感できます!

名古屋市科学館は、ギネス世界記録に認定された世界最大の直径35mのドームに設置されたプラネタリウムを始め放電ラボや極寒ラボなどの大型展示が目を引きますが、その他の展示物も200点以上もあります。

名古屋市科学館の理工館6階には、「最先端科学とのであい」という展示テーマで展示品が配置されています。この展示室では宇宙開発・地下環境・地球温暖化などに関する最新の科学が紹介されています。

これまで人類が掘った最も深い穴は、深さ12,262mですが、それでも地球の半径約6,400kmの0.2%にもなりません。理工館6階の「地下へ挑む」ゾーンの「地下から地球を解き明かす」コーナーでは、その先に広がる巨大な地下の世界を知るために、地震波が使われていることが紹介されています。

名古屋市科学館の理工館6階には「地下から地球を解き明かす」コーナーがあり、「震源ジオラマ」という大型展示品で「地殻プレートの沈み込み」が体感できます。

理工館6階の「地下へ挑む」ゾーンにある「震源ジオラマ」という展示品

名古屋市科学館・理工館6階の「地下から地球を解き明かす」コーナーにある「震源ジオラマ」という展示品は、日本付近で観測された地震について、発生場所と震源の深さを「円柱の棒」であらわしたものです。 「震源ジオラマ」では、日本列島を地球の内側から見ているので、通常の地図で見る日本列島と違って、地図を裏返した表示なるので不思議な感覚になります。

「円柱の棒」をよく観察すると日本列島の太平洋側から内陸に向かって、地震の震源の深さを示す「円柱の棒」が長くなっていくことに気が付きます。地震は二つのプレートがぶつかり合う部分で発生するということを考えながら「円柱の棒」をたどってみると、確かに「地殻プレート」が日本列島の下に沈み込んでいることがわかります。

【震源ジオラマ:震源分布から見えてくる地下の破壊現象】
地震とは、地下の岩盤がずれて破壊されることにより大地が振動する現象のことです。日本周辺で発生した地震の震源分布を地球内部から見る“震源ジオラマ”を眺めていると、震源の多いところが面状に広がっていることに気がつくと思います。つまり、岩盤が破壊されやすい部分が面状に広がっているということになります。
ところで、地球の表面が何枚かの岩盤の「プレート」に分かれており、それぞれが動いていることが地震の原因だということを聞いたことがあるでしょう。あるプレートが別のプレートの下に潜り込んでいる(subuct)場所では、プレートの境界面で岩盤どおしが擦れあうことで破壊が起こりやすくなります。
では、硬い岩石でできているプレートが動くのはなぜでしょうか。それは、プレートの下(深さ100kmあたり)の岩石が比較的軟らかく流動性を持っているのからです。かと言って、ドロドロに溶けているわけではありません。岩石であっても、高温高圧下では長い時間をかけてゆっくり流動するようになるのです。つまり、硬いプレートが流動する物質の上に乗っているため、動くわけです。流動する物質は破壊しないので、地震は起きません。震源分布は、地下のどこで破壊が起こっているかを教えてくれています。
(名古屋市科学館公式ホームページの展示品解説より)