名古屋市科学館の天文館5階で「星のまたたき」を体感できるんです!

名古屋市科学館は、ギネス世界記録に認定された世界最大の直径35mのドームに設置されたプラネタリウムを始め放電ラボや極寒ラボなどの大型展示が目を引きますが、その他の展示物も200点以上もあります。

名古屋市科学館の天文館5階「宇宙のすがた」の展示室は、広大な宇宙のスケールを実感できるフロアです。旧天文館で使用されていた、ツァイスIV型というプラネタリウムの実機も間近にみることができます。

名古屋市科学館の天文館5階「天文学のあゆみ」ゾーンには、「星のまたたき」という展示品があります。地球の大気の影響によって「星がまたたいている」状態と、宇宙などの「星のまたたきがない」状態との比較ができ、「星のまたたき」とはどういう状況なのかが、体感できます。

名古屋市科学館のプラネタリウムでは、限りなく本物に近い星空を見てもらうために、「星のまたたき」まで再現しているそうです。名古屋市科学館のプラネタリウムを観覧する時には、よく観察してみてください。

天文館5階「天文学のあゆみ」ゾーンの「星のまたたき」という展示

星からやってきた光は、地球の表面にある空気の層(大気)を通って私たちの目に届きます。空気は、温度差や風が吹いたりすることで、密度に差ができます。この密度の差で、星からの光はわずかに屈折し、揺らぎが積み重なると、星がまたたいて見えたり、近くに並んだ二つの星が一つに重なって見えたりします。

この空気の揺らぎによる星の見え方の違いは「シンチレーション」と呼ばれています。星が地平線近くに移動すると、大気を通過する距離が長くなるため、星がよりまたたきやすくなります。

「星のまたたき」という展示品は、星がまたたいて見える原因が、大気のゆらぎであることを示す実験装置で、「星のまたたき」とはどいううものか、体験できます。

「シンチレーション」の影響を小さくするには?
【シンチレーションの影響の小さい場所を選ぶ】
大型望遠鏡を使って、より詳細に宇宙のしくみを調べるためには、空が暗く、シンチレーションの影響を受けにくい場所に天文台を建設する必要があります。大気の揺らぎで、星の像が1秒角程度揺らいでしまえば、望遠鏡がいくら細かな構造が見られる性能を持っていても、それよりも細かな構造が見られなくなってしまい、性能を十分に発揮できなくなってしまうからです。
そこで、大型望遠鏡の多くは、ハワイのマウナケア山をはじめとする、空気の薄い高山に建設されています。
さらに、シンチレーションの影響を受けないように、1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡をはじめ、多くの宇宙望遠鏡が宇宙空間に打ち上げられています。
【シンチレーションの影響を小さくする】
一方、地上でも、シンチレーションの影響をできるだけ小さくするための装置が開発されています。観測対象となる天体の周辺にある明るい星の揺らぎをもとに、形の変わる「可変形鏡」を使って、対象天体の揺らぎを瞬時に除去する「補償光学」という技術は、すばる望遠鏡をはじめ、多くの大型望遠鏡に採用されています。さらに、すばる望遠鏡では、周辺に明るい天体が無くても、レーザービームを照射することによって、上空90kmにあるナトリウム原子を発光させて、人工的な光源を発生させます。その光源によって、どの場所の天体でも、補償光学の技術が使えるようにつくられています。
(名古屋市科学館公式ホームページの展示品解説より)