名古屋市科学館で「極寒ラボ」が体験できなかった方は、生命館3階の「暑い部屋・寒い部屋」で乾燥地帯と極北地域のくらしを体験!

名古屋市科学館は、ギネス世界記録に認定された世界最大の直径35mのドームに設置されたプラネタリウムを始め放電ラボや極寒ラボなどの大型展示が目を引きますが、その他の展示物も200点以上もあります。

名古屋市科学館の大型展示の中でも、理工館5階の「極寒ラボ」は一番の人気で、マイナス30度の環境を体験するには、平日でも整理券が必要です。平日なら、入館したらすぐに理工館5階で整理券をゲットすれば「極寒ラボ」を体験できますが、休日はすぐに整理券が無くなってしまう時もあります。

そんな時は、マイナス30度の環境の体験とはいきませんが、生命館3階の「暑い部屋・寒い部屋」で熱帯と寒帯の生活を体験してみてはどうでしょうか。

生命館3階「生活のわざ」の「くらしと地球」ゾーンにある、「環境とくらし」の展示品「暑い部屋・寒い部屋」

「環境とくらし」の展示品の「暑い部屋・寒い部屋」では、40度(暑い部屋)とマイナス5度(寒い部屋)の温度の中で、ビデオを見たり、布や金属に触って、乾燥地帯や極北地域の風土とくらしについて、疑似体験することができます。

ビデオでは、飲み水はどうやって得ているのか、どんな服を着ているのか、など紀行番組風に紹介しています。また、世界の気候区分と、地域ごとの特徴のあるすまいについても解説しています。

ケッペンの気候分布図
私たち人類は、するどい牙を持つわけでもなく、分厚い毛皮で覆われているわけでもありません。しかし、このひよわな、”裸のサル”人類は、大きな脳を使って、世界中に広がっていきました。
気候や地形、土壌、水などのさまざまな自然環境の中で、人類は寒さや雨などから身を守る方法を考え出し、一方、自然環境から食物、着る物、住いの材料などを探しだし、利用してきました。農業や工業などの産業も自然環境と深く関わって発展してきました。都市に住む私たちは、自然と無縁に生活しているように思えまずが、地球という大きな自然環境の中で生きていることに変りはないのです。
植物の分布は、その地域の風土をよく反映しています。どんなところにどんな植物が生育するかは、年間の気温や降水量、土壌の性質、日照時間などを基本として決まってきます。そこで、植物の分布に注目して気候区分図を作成したのが、ドイツの気候学者ウラジミール・ケッペン(1846年から1940年)です。ケッペンは、まず樹木が生える気候(樹木気候)か、生えない気候(無樹木気候)かで世界を大別し、次に月平切気温によって分けていきました。この時目安とした温度は、18度、10度、-3度でした。18度は、人間の活動にもっとも適当な気温であり、10度では樹木が育つか否か、0度では水が凍り、-3度は根雪になるかならないかの境の気温といわれています。このようにケッペンの気候区分図は、気象現象そのものをとらえたものではありませんが、植物と人間の活動が密接であることから、よく使われる気候図です。
さて、最近東京では、九州や四国に多く見られるシロバナタンポポが以前より多く見られるそうです。これは、ヒートアイランド現象(都市の気温が周囲より高くなる現象)で東京が暖かくなってきたことを反映しているのではないかといわれています。植物たちはしっかり気温や降水量・湿度の変化を感じているようです。
(名古屋市科学館公式ホームページの展示品解説より)