「新型コロナウイルス」の正体と弱点はこれだ!名古屋市科学館の理工館6階「話題の科学」ゾーンで、「新型コロナウイルス」をわかりやすく解説

「新型コロナウイルス」の感染拡大で、休館を余儀なくされた名古屋市科学館ですが、理工館6階の「話題の科学」ゾーンで、「新型コロナウイルス」の正体と弱点についてわかりやすく解説されたパネルが登場しました。

また、名古屋市科学館の情報誌「アサラスコープ425号(夏特別号)」にも、「新型コロナウイルス」について詳しい解説が掲載されていますので、併せて読むと理解が深まります。「アサラスコープ425号(夏特別号)」は、名古屋市科学館の公式サイトからPDFがダウンロードできます。ダウンロード先は、名古屋市科学館のトップページから「館内ガイド・各種様式ダウンロード」にあります。

「新型コロナウイルス」の正体

「新型コロナウイルス」の形は「コロナ」(王冠)型で、大きさは直径約1万分の1mmです。コロナウイルスの一番外側には「エンベローブ」という膜があります。


(新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真像(国立感染症研究所):アサラスコープ425号より引用)

コロナウイルスの仲間で、ヒトに感染するものは、2020年に流行している「新型コロナウイルス」含めて7種類です。1960年代から4種類が「かぜ」の原因となるウイルスで、21世紀になって2種類が、新しい感染症(SARS(サーズ)、MERS(マーズ))原因として見つかりました。今話題になっている「新型コロナウイルス」は2019年に見つかった7番目のコロナウイルスです。


(コロナウイルスの構造:アサラスコープ425号より引用)

生物の体は細胞でできていますが、ウイルスは細胞ではありませんので、自分だけで細胞分裂して子孫を増やすことはできません。そこで、他の生物の細胞に入り込んで、細胞の中身を借りて増えていきます。

(コロナウイルスの増え方:アサラスコープ425号より引用)

コロナウイルスの遺伝子は一般的な「DNA」ではなく、「RNA」という物質にあります。「RNA」にある遺伝子は、「DNA」にある遺伝子より変化しやすいため、ウイルスの性質が変わりやすく、遺伝子を取り出して調べるときも、不安定で扱いにくいものとなっています。

「新型コロナウイルス」の弱点

「新型コロナウイルス」の一番外側には「エンベローブ」という膜があります。エンベローブは、「封筒」や「おおい包むもの」という意味です。

「エンベローブ」の主な成分は脂質(あぶら)で、「消毒用のアルコール」や「界面活性剤」(食器や住宅用の洗剤の成分)でこわれ、ウイルスを除去できることがわかっています。

「新型コロナウイルス」を除去できるものとして「消毒用のアルコール」以外に、界面活性剤を含む「食器や住宅用の洗剤」が有効であるのはありがたいですね。なお、新型コロナウイルス除去に効果のある界面活性剤については、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE:ナイト)で詳しい情報が公開されています。

花王やジョンソンなどの住居用洗剤も「新型コロナウイルス除去に効果のある界面活性剤」のリストにありますので活用してみたらどうでしょうか。