掃除機で「ボーリングの球」を持ち上げられるのか?名古屋市科学館で掃除機の「吸引力」を体感!

名古屋市科学館は、ギネス世界記録に認定された世界最大の直径35mのドームに設置されたプラネタリウムを始め放電ラボや極寒ラボなどの大型展示が目を引きますが、その他の展示物も200点以上もあります。

名古屋市科学館の理工館3階は、「技術の広がり」という展示テーマで展示品が配置されていて、身のまわりにある機械のしくみや、ものづくりの知恵を科学の視点で紹介されているフロアです。

このフロアの「身近な機械」ゾーンには、「掃除機」という展示品があり、「ボーリング球の吸い上げ実験」ができるコーナーがあります。この実験で使用されているのが14ポンド(約6.35kg)のボーリング球ですが、果たして吸い上げることができるでしょうか?

円筒形の透明な筒の中に入れられた14ポンド(約6.35kg)のボーリング球は、掃除機の吸引力で見事に持ち上げられてしまいました。掃除機の吸引力はすごいものがありますね。

理工館3階の「身近な機械」ゾーンにある「掃除機」という展示品

掃除機は私たちの生活に欠かせない機械のひとつです。畳の掃除には帚(ほうき)が使われていましたが、アメリカで生まれた掃除機が日本にも紹介され、日本の住生活に合わせてより便利になるよう変化して今日にいたっています。この展示品では、最も身近な機械のひとつである掃除機のメカニズムについて知ることができます。

掃除機の吸引力はモーターを使ってファンを回転させることから生まれています。ファンは2枚の金属板の間に複数の翼板をはさんだ構造になっていて、回転とともに内部の空気をファンの外に押し出して空気の流れを作っています。掃除機に使用されるモーターは交流整流子モーターと呼ばれ、毎分2~3万回転という高速回転により強力な吸引力を生みだします。

「掃除機」という展示品では、掃除機の吸引力を体感できるように「掃除機の吸い込む力でボーリングの球を持ち上げてみよう」のコーナーがあります。このコーナーで使用されている掃除機はサイクロン掃除機ですが、実験のスタートボタンを押すと、見事に14ポンド(約6.35kg)のボーリング球を吸い上げているのがわかります。

 <モーターとファン>
掃除機の吸引力はモーターを使ってファンを回転させることから生まれています。ファンは2枚の金属板の間に複数の翼板をはさんだ構造になっており、回転とともに内部の空気をファンの外に押し出して空気の流れを作っています。これが吸引力の源です。
<ブラシ>
絨毯の繊維に入り込んだごみやほこりを吸い込むことは困難でした。そこで、吸い込み口ブラシを取りつけ、ブラシの回転によってごみやほこりを浮き上がらせて吸い込みやすくするという工夫がなされました。このブラシの回転は、モーターを使う方法や吸い込む空気の力を利用する方法などがあるようです。
<コードを巻き取る>
利用するときはコードが長く出ていて、利用しないときはコードが引き込まれていて欲しいという希望は、次のようなメカニズムで達成されました。
コードを巻き取る力は板バネによるものです。掃除機を利用するためにコードを引きますが、ゴムローラーがリールを挟み込んで固定し、板バネによるコードを巻き取ろうとする力を邪魔します。
巻き戻しボタンを押すと、ゴムローラーが外れて板バネの力を解放します。コードが巻き取られていきます。
<ボーリング球の吸い上げ実験>
掃除機の吸引力の強さを実感していただくために、重いボーリング球を吸い上げる実験を行っています。ボーリング球の重さは、慣習的にポンド(lb)という単位を使います。この実験で使用したボーリング球は14ポンドです。これは何キログラムか計算してみましょう(1lb=0.45359237 kgです)。
(名古屋市科学館公式ホームページの展示品解説より)