名古屋市科学館の「懐かしの展示品」を親子で楽しんでみませんか

名古屋市科学館

ギネス世界記録に認定された世界最大の直径35mのドームに設置されたプラネタリウムを始め放電ラボや極寒ラボなどの大型展示を有する名古屋市科学館は大変魅力的ですね。

その他の展示物も200点以上もありますが、実は、旧科学館で人気だった「懐かしの展示品」も、リニューアルした新館で展示されています。お父さんやお母さんも、子どもたちと一緒に懐かしの展示品を楽しんでみませんか。

名古屋市科学館・天文館の懐かしの展示品

天文館5階「宇宙のすがた」

<天文学のあゆみゾーンの「懐かしの展示品」>

市街光と星空(平成17年)

街の中心部では、晴れていても星が少ししか見えません。これは、都会の空気が汚れているからではなく、街路灯などの地上の灯りが上に漏れてしまい、夜空を明るく照らしているためです。空が明るくなると、星と空の明るさの違い(コントラスト)が小さくなり、星が見えにくくなります。照明に関して景観や周辺環境への配慮が十分でない状況を「光害」といい、適切に配慮した光環境を作ることによって、街中でもたくさんの星が見えるようになります。

この展示では、街中で星が見えにくい原因が、夜空の明るさであることを示す実験装置と実態調査データで、市街光と星空の関係を紹介します。

宇宙線を見る(昭和52年)

宇宙のあらゆる方向から電子や原子核が地球に降りそそいでいます。それは放射線の一種で宇宙線といいます。この展示品(霧箱)でその証拠が見られます。箱の中に青白く光る軌跡が、宇宙線の通り抜けた跡です。しばらく見ていると数多くの宇宙線が通り抜けていくのがわかります。

この箱とおなじように、あなたの体も宇宙線が通りぬけているのです。

<宇宙のひろがりゾーンの「懐かしの展示品」>

惑星の動きと引力(昭和45年)

地球や火星などの惑星が、太陽の回りをどのように動いているのかを教えてくれるのがこの展示品です。中心の穴が太陽であり、打ち出されて回るボールが惑星です。中心に近づくほど動きが速く、遠くになるほどゆっくりになります。
惑星の動きを支配する法則は、17世紀初めにドイツの天文学者であるケプラーが発見しました。

この展示物は旧天文館から移設し、外装を改装しました。内部の曲面およびメカニズムはすべて以前からのものをオーバーホールして使っています。

名古屋市科学館・理工館の懐かしの展示品

理工館2階「不思議のひろば」

<なつかしのてんじゾーンの「懐かしの展示品」>

あなたもさっきょくか (平成3年)

オルゴールと同じしくみで、鐘を鳴らす展示品です。展示品の大きな筒には、ピン(つめ)が規則的に埋め込まれています。筒を回転させると、ピンがハンマーにつながるアームをはじき、ハンマーが鐘を打ちます。筒の回転にしたがい、次々と鐘が打たれ、音楽を奏でます。鐘の鳴る機構をよく観察してください。

この展示品では、赤印のピンの頭を出すと「アマリリス」の曲が、青印のピンの頭を出すと「うみ」の曲が演奏できます。頭を出すピンをいろいろ変えると、あなただけの曲が演奏できます。自由に作曲してみましょう。ところで、この展示の鐘はどれも同じような大きさをしています。しかし鐘の厚みがちがうため、同じ大きさでも高い音から低い音まで出すことができます。

なおこの展示は、1992年に製作された、なつかしの展示です。

NKSじしゃく(昭和49年・寄贈)

そなえつけのくぎをNKS磁石に近づけてみましょう。とても強い磁石だということがわかります。世界で強力な永久磁石の研究開発が始またのは、本多光太郎らが1917年に発明したKS磁石鋼がきっかけとなっています。この磁石は非常に有名になり、それ以後、磁石の研究で日本は世界をリードしてきました。KSというのは、研究費を援助した住友吉左衛門の頭文字から名付けられたものです。

その後、増本量や白川勇記が研究に加わって、1935年にNKS磁石鋼が発表されました。NKSとは、new(新しい)KSという意味です。NKS磁石は、鉄・アルミニウム・ニッケル・コバルト・銅・チタンからできています。

なおこの展示は「なつかしの展示」の一つで、1974年に寄贈されたものです。

たこのダンス(昭和39年・もっとも古い展示)

展示品のゴムのつまみを強くにぎりしめたり、離したりしてみましょう。水の中の「たこ」はどうなりますか。浮力(アルキメデスの原理)やパスカルの原理を応用した展示品です。

なおこの展示は「なつかしの展示」の一つです。旧理工館が開館した1964年からずっと展示されている、名古屋市科学館で最も古い展示です。

イライラぼう(平成5年)

2010年8月に閉鎖された、旧理工館の展示品の中から選ばれた「なつかしのてんじ」のひとつです。旧館ではどのような展示があり、親しまれたのかを知ってもらうのがこの展示のねらいです。

Go! Go! しょうぼうしゃ(平成13年)

2010年8月に閉鎖された、旧理工館の展示品のなかから選ばれた「なつかしのてんじ」のひとつです。

「しょうぼうしゃ」を運転してきみも火事を消しに行こう。旧館からの展示品ですがなぜか子どもたちの大人気です。

理工館3階「技術のひろがり」

<機械の素ゾーンの「懐かしの展示品」>

歯車(平成元年)

機械を分解していくと、さまざまな構成要素があり、これ以上分解することができない最小のものになります。歯車もそのひとつで、最も重要なもので、いろいろな種類があります。歯車を組み合わせた8つの体験型の展示を公開しています。

どの向きにどれだけ回転させると、どのような回転が得られるのか、入力と出力の関係に注意してみてください。どうやって動力を伝達するのか、そのための創意工夫がよくわかります。歯車について理解を深めていただくことが、この展示品の目的です

いろいろな歯車を手で回して速さや重さを体験してください。歯車の違いでずいぶん違うものですね。

理工館1階「エントランスホール」

<エントランスホールの「懐かしの展示品」>

LEー7ロケットエンジン(平成7年)

「LEー7」は、液体水素と液体酸素を燃料とする非常に効率のよい高性能エンジンです。「LE-7」の設計を元にコストダウンと信頼性向上を図ったLE-7AエンジンがH-ⅡAとH-ⅡBロケットの一段目に使用されています。旧生命館のエントランスに展示されていたものが、新理工館のエントランスに移動して展示されています。

名古屋市科学館の屋外展示

< 屋外展示・東エリアの「懐かしの展示品」>

B6形蒸気機関車(昭和43年・寄贈)

東エリアには、明治37年にドイツのハノーファー社で製造された「B6形蒸気機関車」が展示されていたのですが、修理して走行可能か調査中で、いまは線路のみ見ることができます。

市電1400形ボギー車(昭和49年・寄贈)

昭和11年から12年にかけて製造された名古屋市の「市電1400型ボギー車」も懐かしいですが、名古屋市交通局の日進工場併設の「レトロでんしゃ館」にも複数の市電(1400,2000,3000型)の展示があるので興味のある方はそちらも見られると良いですよ。

<屋外展示・西エリアの「懐かしの展示品」>

無人海底探査機ドルフィン3K(平成16年)

西エリアには、昭和62年から平成14年まで日本近海の海洋調査のため576回潜航した「無人海底探査機ドルフィン3K」があり、旧館から引き続きの展示です。理工館6階の「地下へ挑む」地球深部探査船「ちきゅう」の展示とあわせてみるのがおすすめです。

フランシス水車(昭和43年)

大正13年に関西電力の大井発電所の運転開始時に使われた「フランシス水車」も旧館から引き続きの展示で、理工館5階の「エネルギー」水力発電の展示とあわせてみると理解が深まります。

風量発電装置(平成16年・寄贈)

この展示品は、揚力式の風力発電機と太陽電池を組み合わせたもので、発電した電力をバッテリーにためて、夜間の照明灯に電気を送ります。