名古屋市科学館の「フーコーの振り子」で、地球の自転を観察してみませんか。名古屋市科学館の生命館1階・休憩室の真ん中を見ると、吹き抜けの天井から巨大な振り子が吊るされています。これは「フーコーの振り子」というのですが、この振り子で地球の自転が観察できるんです。
フーコーの振り子
名古屋市科学館の生命館1階・休憩室には、生命館の吹き抜けを利用して、長さ27.9mの「フーコーの振り子」が設置されています。毎朝、直径27cm、重さ81kgのおもりを使った振り子をスタートします。この振り子の振れる向きが地球の自転によって徐々に変わっていくと、振り子の重りに取り付けられた棒によって、地面に立てられた鉄のブロックが一枚また一枚と倒されていきます。
振り子の動く方向を観察していると、ゆっくりと右回りに回転しているように見えます。振り子は、外からの力が加わらない限り、いつまでも同じ方向に振り続ける性質をもっています。そこで振り子が振れる向きは宇宙空間に対して一定になります。けれども、地表面が地球の自転で左に回転しているため、まるで振り子の動く方向が右に回転しているように見えるのです。
フーコーの振り子が1周するのに必要な時間は、北極では右回りで24時間、南極では左回りに24時間です。赤道では、振り子の振れる向きと地球の自転が同一方向になるので回転しません。その他の地点では、フーコーが発見した式で計算できます。
1周に必要な時間(日) =1日/sinθ
(ここでθは振り子の場所の緯度、時間で計算するには24時間/sinθ)
名古屋市科学館はおよそ北緯35度10分なのでsinθは0.576で、振り子が1周するのに必要な時間は約1.7日となります。
パリのパンテオンでの公開実験
1851年、フランスのフーコーは、自宅の地下室で振り子を使った実験を始めました。 同年3月にはナポレオン3世のはからいにより、パリのパンテオン寺院の高いドームに振り子を設置して実験が行われました。
パンテオン寺院の振り子は、高いドームから長さ67mのピアノ線に重さ28kgのおもりをつり下げた大がかりなものでした。たくさんの見物客がつめかけて、地球が自転する証拠を目の当たりにしました。
「フーコーの振り子」が見られる場所
日本
- 札幌市青少年科学館(北海道札幌市)
- 弘前大学文京キャンパス(青森県弘前市)「 理工学部棟に日本最大のフーコーの振り子を設置」
- 国立科学博物館(東京都台東区)
- 名古屋市科学館(愛知県名古屋市)「 生命館の吹き抜けに設置」
アメリカ
- フランクリン研究所(英語版)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)
フランス
- パリ工芸博物館(パリ)
- パンテオン(パリ)