名古屋市科学館の屋外展示は理工館南の中央ゾーンと天文館南の東ゾーン、それから生命館南の西ゾーンの3つです。屋外展示ゾーンのなかで、理工館南の中央ゾーンと天文館南の東ゾーンは旧理工館と旧天文館の跡地に設置されていますが、生命館南の西ゾーンとくらべると地盤が少し下がったところに屋外展示品があります。なんだか不思議ですね。
実は、旧理工館と旧天文館を取り壊したときに、地下部分はそのまま残して、ある目的に利用することになったのですが、どんなことに利用しているのかわかりますか。地下では気温の変化が少ないので旧理工館の地下は「クールヒートトンネル」に、旧天文館の地下は雨水をためて再利用するための「雨水貯留槽・雨水流出抑制槽」に活用しているのです。
旧理工館と旧天文館の地下を再利用することによって取り壊しの費用も抑制することができ、一石二鳥の効果となったようです。
クールヒートトンネル
旧理工館の地下に空気の通り道を作りました。空気が地下を通ることで、夏は涼しく冬は暖かい空気を空調に使うことができ、空調機器の負荷を減らすことができます。つまり省エネに貢献するということなのです。
雨水貯留槽・雨水流出抑制槽
旧天文館の地下部分を利用して雨水をためる水槽を作りました。建物の屋根などに降った雨などを集めて貯め、トイレなどの雑用水に利用します。屋上緑化、壁面緑化の散水にも利用します。また、雨を水槽に貯めることにより、大雨の時などの雨水の排水量を抑制することができます。つまり節水と水害予防に貢献しているということなのです。